ダウン症候群について
ダウン症についての解説です。
ダウン症候群とは、一般的に21番目染色体がトリソミー(三倍体)を形成することで生じる先天性の疾患群。
一般にダウン症とも呼ばれている。
一般に1/1000人という割合で発生しているため稀ではない。
40歳以上の高齢妊婦の発生率は1/100人と非常に高率となっている。
高齢男性というリスクは一般的に少ないとされているが、女性側:男性側の原因比率は4:1とも言われる。
95%が標準型21トリソミー、4%が転座型、1%がモザイク型である。
標準型は精子、卵子形成時の減数分裂における染色体不分離が原因であり遺伝性はないが、転座型の場合は親の片方が均衡転座保因者である場合もある。
一般に妊娠段階において、妊娠14〜16週ごろに行う羊水染色体検査で判明する。
多くの産婦人科病院で簡単に行える。
なお検査結果が出るまでに2〜3週間を要する。
流産の危険性がわずかながらあるといわれる。
一方、最新の統計調査によると羊水検査と流産危険率上昇との間には相関関係がないという結果も出てきている。
※一般に学会の倫理規定などでは、正式には「医療側はこういった出生前検査は妊婦に対し積極的に進言してはいけない」とされている。
(厚生科学審議会先端医療技術評価部会・出生前診断に関する専門委員会) そのため「妊婦検診等でこういった検査を勧められなかった」としても医療側の落ち度は無いとされる。
(裁判事例:京都地裁平成9年1月24日判決)そのため妊婦は自ら医療側に進言(結婚している妊婦の場合夫婦の同意に基づく)しないと正式には行ってもらえない。
1959年、フランス人のジェローム・レジューンによって、21番目染色体の3倍体形成が生じていることが発見された。
1965年にWHOによって「Down syndrome(ダウン症候群)」を正式な名称とすることが決定された。
1866年に英国医師ジョン・ラングドン・ダウンによって学会発表された。
最初は特徴的顔貌を捉えて「Mongolism(蒙古人症)」または「mongolian idiocy(蒙古痴呆症)」と称されていた。
ダウン症候群では高率に内臓の奇形を伴っていることが多い。
* 鎖肛。
* 先天性心疾患(特に早期の治療を行わないと致命的となる)。
* 先天性食道閉鎖症。
* 白血病など。
知的障害、先天性心疾患、低身長、筋力の弱さ、頸椎の弱さ、視力低下、難聴があり、青年期以降にはストレスから来るうつ症状・早期退行を示す者もいる。
陽気な性格であることが多い。
40歳以降にアルツハイマー病が高確率でおきる。
外表奇形。
釣りあがった小さい目を特徴とする顔貌を呈する。
手の猿線など。
精神発達遅滞。
精神発達遅滞が認められる。
母親にとってのショックは非常に大きく、母親に対するケアが最重要となってくる。
カウンセリングを積極的に受けることが大切である。
治療方法はない。
しかし、数十年前までは平均寿命も20前後であったが、これは循環器合併症の外科的治療が当時はできなかったためで、合併奇形を治療すれば一般の健康状態は良い。
現在では平均寿命は50年程度に延びている。
4年制大学を卒業した人もいる。
夢紡ぐ綾(日本でダウン症者として初めて4年制大学を卒業した女性のサイト) また、早期養育が発達の助けに良いと言われる。
出生前検査によって 胎児がダウン症候群 と診断されても、母体保護法によって胎児の問題での中絶は認められていないため、それだけでは人工妊娠中絶適応にはならない。
しかし、母体保護法の条文にある妊娠中絶の適応として「妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの」を
もって、「母体としての精神的問題が著しい」または「精神的問題によって母体の健康障害が著しい」とされれば、妊娠22週未満であれば一般に人工妊娠中絶
は行われる。
母体保護法によって「人工妊娠中絶を行うには、人工妊娠中絶手術を行う母体保護法指定医師によってその必要があるかどうかの認定」が必要であるため、行う医療機関と行わない医療機関が存在する。
出生前検査は現在でも大きな議論となっている。
一般にダウン症の発見には、医学的見地からは「35歳以上の高齢妊婦に出生前検査を行うと高率に発見されてくるであろう」とされているが、こういった声明は「ダウン症の産み分けにつながる」として患者や人権団体から強い非難を受けている。
その一方、2人の障害児を持つことはその家族にとって非常なる負担となることから、障害児をもった親が2人目の障害児を避けるために検査を受けているのも事実である。
どうしてダウン症というのでしょうか?
ダウン症は、常染色体異常のなかで最も多い疾病です。
さまざまな似ている症状が特徴的に見られるので、1866年イギリスの眼科医 J. L. H. Down が独立した疾患として報告したのが症候群としてひとまとめにされたはじまりですが、もちろん、昔からこのような症状を持つ人がいることは文献に現れています。
Downが、本症の特徴のひとつである内眼角ぜい皮とつりあがった眼尻を蒙古人に似ている顔つきとしたことから、しばらくは蒙古症と呼ばれていました。
人種差別的用語であるため、現在は発見者の名前をとって、ダウン症と呼ばれています。
そして1959年になってから、フランスの Lejeuneらの研究者によってダウン症の原因が染色体異常(21番染色体が3本あることから、21トリソミーと呼ばれる)によることが確かめられました
ダウン症とエコー検査
ダウン症候群は、生まれてくる染色体異常児の中で最も多く、超音波検査を用いたスクリーニングが行われています。
代表的なものには項部浮腫があります。
項部浮腫の測定方法は、妊娠10から20週(11-14週がよりよい)の胎児の長軸を描出して、首の後ろ側に存在するエコーフリーな浮腫の厚さを測定します。
最も厚い高さにおいて、外側は浮腫の壁の厚みの内側からスタートし、内側は首側の最も外側までで計測します。
カットオフは3mmです。
3mmを越えると、ダウン症候群の確率が高く、67%(3分の2)前後と報告されています。
3,4,5,>6mmのおのおのにおける染色体異常の確率は、それぞれ、3倍,18倍,28倍,36倍高く、5mm以上の場合には、胎児の流産や死産が15%と報告されています(Pandya,1995)。
こうして項部浮腫がみられた妊婦には、羊水検査を受けることをアメリカではお勧めしているようです。
その他にダウン症候群でみられる超音波検査には、項部の厚み、扁平な顔や鼻の奇形(矢状断)、心臓のハイエコーなfocusや心奇形、十二指腸閉鎖、腸管がハイエコー、大腿骨や上腕骨が短い、腎盂の拡張(4mm以上)等があげられます。
妊娠週数や発育によって、おのおのよく観察できる時期があります。
ダウン症候群の種別について
ダウン症候群の種別についてです。
以下のようなものがあります。
転座型:ダウン症全体の5%ー6%。
ダウン症の転座は、21番染色体が付随体をもつD群(13、14、15番)またはG群(21番22番)のひとつと付随体同士の融合により生じます。
転座型は、ダウン症全体の約5%ですが、その半分は散発性転座、つまり両親の染色体は正常です。
あとの半分は遺伝性転座で片親に転座染色体保因者が見らます。
この家系には、保因者の先祖や兄弟、ダウン症の姉兄に同じタイプの保因者が見つかる可能性がございます。
標準型(不分離型)21トリソミー、転座型、モザイク型
標準型21トリソミー:ダウン症全体の90ー95%。
これは通常第1減数分裂期での不分離によります。
(80%)が、第2減数分裂時におこることもあります。
両親は一般に正常な染色体数を持っており、子供が偶発的にトリソミーになったのです。
モザイク型:ダウン症全体の1%ー3%。
21トリソミー接合体(80%)や正常細胞接合体での体細胞分裂における不分離で生じます。
このような場合は完全型に比べて臨床像は軽くなります。
通常、両親の染色体数は正常ですが、偶発的な染色体の不分離が受精卵の細胞分裂時に起こり、子供の細胞の一部がトリソミーとなっているものです。
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